マイクロスコープで
行う精密根管治療
根管治療
根管治療とは、神経にまでおよんでしまった重度の虫歯を食い止めるために行なう治療です。虫歯菌に感染してしまった神経を除去して患部を消毒したあと、薬剤を埋め込み蓋をして、被せ物を装着します。
治療が遅れると細菌感染によって神経が腐り、抜歯となることもあります。そのため、根管治療は健康な歯を残すために非常に重要な治療だと言えます。
根管治療を必要なケース
中期の虫歯(C3)
虫歯が進行して神経が侵食されると(C3と呼ばれる段階)、噛む動作をした時に激しい痛みが出たり、熱いものや冷たいものがしみたりします。
また、場合によっては何もしていない時にも痛むことがありますから、患者さまにとっては非常に辛い状態でしょう。そこで、歯科医院としては、まず神経を取り除いて痛みを除去します。その際、根管内に感染が残らないように、根管治療を行って被せ物でカバーする処置を行います。
抜髄後でも必要なケース
過去に抜髄や根管治療を行った部位でも、再度根管治療が必要となることがあります。
原因としては、再び虫歯の原因菌の感染が起こった場合や、何らかの理由で根管内部に膿が出た場合が考えられます。また、過去の根管治療が不十分だった場合には、根尖病巣(こんせんびょうそう)という歯根先端に膿の袋ができることがあり、このときにも再度の根管治療を行わなければなりません。
マイクロスコープを用いた根管治療
マイクロスコープは治療対象となる部位を、数十倍に拡大して見ることができる設備です。これがあることで、細くて肉眼では見ることができない根管の内部を、画像で確認しながら清掃することが可能となり、根管治療の制度が大きく向上します。仮に他院で「保存が難しい」と言われた歯についても残すことができる症例もありますので、ぜひあきらめることなく、当クリニックにご相談ください。
マイクロスコープの特徴
- 01肉眼の数十倍の拡大視野
- マイクロスコープを使うと、治療対象部位を数十倍に拡大して見ることができます。そのため、マイクロスコープの登場以前の感覚に頼る治療に比べて、治療の精度は劇的に向上していると言えます。
- 02治療内容の記録機能
- マイクロスコープを使用した治療では動画や静止画を保存できるので、記録の確認として役立ちます。患者さまへの説明にも利用しやすく、ご自身のお口の状況や治療内容に理解を深めることができます。
- 03定点であてられる照明
- 従来の根管治療は照明があてづらく困難でしたが、マイクロスコープは治療対象部位を真上から照らすことができるので、暗くて見えにくい根管内部に起こっている感染を、目視しながら除去することが可能です。
根管治療の流れ
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Flow01
検査~カウンセリング
検査結果をお話しして、状況を把握していただきます。その後治療計画を提案し、了解の上で治療開始します。
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Flow02
麻酔とラバーダム設置
麻酔後、治療部位に唾液の流入による新たな感染が起こることを防ぐために、ラバーダムというゴムシートで覆います。
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Flow03
虫歯部分を除去
神経周辺の虫歯侵食部位を除去します。その際、マイクロスコープを使用することで、歯を必要以上に傷つけず、歯髄を残せるかどうかも判断できます。
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Flow04
根管充填
根管にMTAセメントを充填して感染を防止します。その後、仮止めして詰め物・被せ物作製工程に入ります。
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Flow05
詰め物・被せ物
状態確認を終えたら、作製した詰め物・被せ物を装着し、噛み合わせの調整をして治療は終了です。
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Flow06
メインテナンス
治療後も状態を維持できるように、セルフケアをしていきましょう。また定期メインテナンスもおすすめしています。
治療後も予防を心がけましょう
神経を取ってしまった場合、その歯は痛みや噛む力の強さを感じなくなるので、常にリスクが高い状態にあります。
そのため、今まで以上に意識して、毎日しっかりと歯磨きなどのセルフケアを行うようにしましょう。
また、定期的に歯科クリニックでメインテナンスを受けることも非常に重要です。当クリニックにお越しいただければ、状態の確認やプロによるクリーニングのほか、それぞれの方の状態に合ったブラッシング指導も行っています。
(予防歯科)
神経を抜かない歯髄保存療法
虫歯が進行して神経に侵食がおよんだ場合や、ケガなどで歯にダメージを受けて神経が露出した場合などは、過去には神経を除去する「抜髄」を行うことが一般的でした。
しかし、抜髄した歯は栄養供給がされなくなるのでもろくなることから、歯を失うリスクが高まります。また、難易度が高い根管治療も必要となります。この点を踏まえて、近年は歯髄をできるだけ残すことが重視されるようになり、当クリニックでも残せる限りは歯髄保存療法をご提案しています。